高齢者の口腔ケア


◆加齢による弊害

高齢になると物を呑み込む反射が低下します。

徐々に筋力も衰えて、かむ力やかむ回数も低下します。

そうなると様々な弊害がでてきます。

 

●唾液の分泌量減少による弊害

(正常な人で一日あたり1.5~2リットル)

高齢に伴い、かむ力や回数が

低下すると唾液の分泌量も徐々

に減少してきます。

唾液には体を守る重要な成分が

多く含まれています。

唾液が減少すると食べ物の消化

吸収にも悪影響を及ぼします。

又抗菌作用もあるため減少する

と感染しやすくなります。

ミュータンス菌(虫歯菌)や

その他の菌が増殖し易くなります。

口腔内が不潔になり、虫歯や

歯周病、口内炎、口臭等の原因にもなります。

既に虫歯や歯周病がある場合は悪化しやすくなります。

 

●誤嚥による弊害

物を呑み込む力が低下すると

誤嚥のリスクが高くなります。

食べ物と一緒に口腔内の菌も

気管内に入ってしまうと、

肺炎(嚥下性肺炎)の危険が高くなります。

 

口の中を清潔にすることで

食べ物を美味しく頂け、消化

吸収も良くなり、栄養状態も

改善できます。

さらに感染のリスクもより低くなります。

 

◆お口の中をきれいにしましょう!

●口腔内を清潔にする方法

・基本は歯ブラシ

・うがいをする(特に朝起き立て)

・だ液の分泌をよくする

 

●唾液の分泌を良くする方法

・食べ物をよくかむ

・酸味のある物を口にする (レモン・梅干など)

・だ液腺のマッサージ

 

●唾液腺のマッサージ方法

マッサージで耳下腺、顎下腺

舌下腺を刺激し、唾液の分泌を促します。

 

①耳下(じか)腺

耳たぶの下を人差し指でぐるぐる押しながら回す。

 

②顎下(がっか)腺

あごの骨のデッパリ(えら)

から少し内側を親指で押しながら回す。 

 

③舌下(ぜっか)腺

あごの下(舌の根元)を親指で 押す。 

 

 

◆誤嚥を防ぐお口の体操

口を大きく開けたり膨らませ

たり、舌を出したり引っ込めたりします。

加齢に伴って衰える「かむ―

呑み込む」という一連の動作の

ためのトレーニングです。 

唾液の役割

唾液は唾液腺から分泌される分泌液です。

耳下腺、顎下腺、舌下腺から

分泌されるのが唾液になります。

唾液の主な働きには殺菌・抗菌

作用、浄化作用、消化作用、

再石灰化作用等があります。

 

唾液の中に含まれている主な成分

プチアリン

デンプンを分解する消化酵素です。

プチアリンは唾液アミラーゼのことです。

*胃液の強酸性の塩酸により、働きが強くなるようです。

 

ムチン

ネバネバした糖タンパク質です。

唾液が粘り気があるのはムチン

が含まれている為です。

食べ物を唾液でまとめて、バラ

バラにならないようにします。

食べ物の表面を滑らかにします。

粘膜を保護する作用もあります。

 

ラクトフェリン、ヒスタチン

ペルオキシダーゼ、リゾチーム

殺菌や抗菌作用があるため、

口腔内を清潔に保ちます。



参考・引用文献

インターネット

厚生労働省HP内 

口腔機能説明用チャート等

//www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/dl/tp0501-siryou5-1.pdf

介護予防マニュアル改訂版 p83~

//www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/dl/tp0501-1_1.pdf

 

ウィキーペディア

ja.wikipedia.org/wiki/唾液腺