経腸栄養剤・投与量のまとめ


経腸栄養剤の投与量の目安は、個人に合った一日に必要な

カロリーが基本になります。

例えば1日に必要なカロリーが1500kcal、1kcal/1mlの液体の

経腸栄養剤では対象者の状態に問題がない場合は、単純に計算

して1日の経腸栄養剤の量は1500mlになります。

 

通常は1500mlを数回に分けて投与することになります。

特に問題がなければ1日3回にわけて投与します。

1回に500ml の量を1時間に200ml~300mlの速さで投与します。

*速さは目安です。

 

上記は一つの例です。

1日の投与量が同じでも投与回数や1回の量、速さなど 個人差があります。

又投与方法として1日の量を持続、又は12時間~24時間かけて

注入する方法もあります。

 

経腸栄養剤の形態(液体、半固形、固形)に関係なく濃度や

浸透圧を保つためには経腸栄養剤の量はほぼ同じにします。

量は同じでも注入速度は異なります。

半固形、固形化栄養剤は主に胃瘻のときに使用されるケースが

殆どですが注入時間は短時間ですみます。

 

カロリー(糖質、脂質、タンパク質)だけではなく、ミネラル

ビタミン等の成分も考え、不足している場合は追加します。

又、水分の補給も大切になります。

 

病態などが変化すれば栄養剤の種類や濃度、量の調節が必要に

なります。

呼吸器疾患、糖尿病、肝疾患、心疾患、腎疾患など疾患に

よって栄養剤の種類、量、濃度は異なります。

水分制限のある場合は1ml のカロリーを高くした栄養剤を使用

する場合もあります。

カロリー制限のある場合は1ml のカロリーを低くした栄養剤を

使用する場合もあります。

 

続きはこちらです→ 経腸栄養剤はてな?

 


▽基礎代謝基準値 kcal/kg
 年 齢  男 性   女 性
 1~2歳 61.0 59.7 
 3~5歳 54.8  52.2
 6~7歳 44.3  41.9
 8~9歳 40.8  38.3
 10~11歳 37.4  34.8
 12~14歳 31.0  29.6
 15~17歳 27.0  25.3
 18~29歳 24.0  *22.1
 30~49歳 22.3  21.7
 50~69歳 21.5  20.7
 70歳以上 21.5  20.7

*2010年度版から 22.1kcal/kgに変更。
2005年度版は 23.6
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◇参考・引用文献
厚生労働省HP内
エネルギー・栄養素 PDF p45
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4e.pdf
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▽身体活動レベル

*主に身体活動量の指標となる数値
(年齢階級別にみた身体活動レベルの群分け(男女共通)
レベル I(低い)
18~29(歳) 1. 50
30~49(歳) 1. 50
50~69(歳) 1. 50
70 以上(歳) 1. 45

レベルII(ふつう)
18~29(歳) 1. 75
30~49(歳) 1. 75
50~69(歳) 1. 75
70 以上(歳)1. 70

レベル III(高い)
18~29(歳)2. 00
30~49(歳) 2. 00
50~69(歳)2. 00
70 以上(歳)1. 95

*身体活動レベル=1日当たり総エネルギー消費量 ÷1日当たりの基礎代謝量
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◇参考文献
厚生労働省HP内
エネルギー・栄養素 PDF p50
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4e.pdf

「日本人の食事摂取基準」(2010年版)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/sessyu-kijun.html
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4e.pdf

国立健康・栄養研究所 健康・栄養フォーラムHP内
基礎代謝量の算出について
http://www.linkdediet.org/hn/modules/pico/index.php?content_id=103
基礎代謝の目安を算出する方法
http://www.linkdediet.org/hn/modules/pico/index.php?content_id=291
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▽活動係数・AF *参考数値例
寝たきり(自己体動なし) 1.0~1.1
寝たきり(自己体動あり) 1.1~1.2
ベッド外活動(車椅子) 1.2~1.3
ベッド外活動(歩行) 1.3~1.4
積極的なリハビリ 1.5以上
*文献により多少異なります。数値は確定されていないようです。
*同じ寝たきり状態でも、病態や長期臥床か短期臥床かなどでも異なります。

▽傷害(ストレス)係数・SF *参考数値例
低栄養状態 1.0 未満
ストレスなし(術前や退院直前などの状態)1.0
手術 1.1~1.8
癌 1.1~1.3
感染症 1.2~1.5  
発熱 1.2~1.5 
熱傷 1.2~2.0 など
*文献により多少異なります。数値は確定されていないようです。
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◇参考・引用文献
全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会HP内
回復期リハビリテーション病棟における栄養管理マニュアルPDF P14,15
http://www.rehabili.jp/data/eiyo/221108_eiyo_m.pdf
医学書院HP内 レジデントのための栄養塾
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02747_07
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▽活動別・標準体重1kg当たりの1日に必要なエネルギー

軽い労作(デスクワークや軽い家事など)25~30kcal   

普通の労作(立ち仕事の多い) 30~35kcal

重い労作(力仕事が多い)35kcal~

 

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◇参考文献

厚生労働省HP内

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/seikatu/himan/meal.html

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経腸栄養剤について 項目一覧




参考文献

書籍

「食品成分表」一橋出版 p136

広辞苑(電子書籍)カロリー

「PEG(胃瘻)栄養・適切な栄養管理を行うために」改訂版フジメディカル出版 p80~

「胃瘻PEG合併症の看護と固形化栄養の実践」日総研 p142~

 

インターネット

厚生労働省HP内

「経管栄養 p212」 

http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaigosyokuin/dl/manual_07.pdf

文部科学省HP内

「6.経管栄養 経鼻胃管(滴下型の液体栄養剤の場合)p337

www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2012/07/13/1323015_14.pdf

「日本人の食事摂取基準」(2010年版)

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/sessyu-kijun.html

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4e.pdf

「肥満てど、んな状態?」

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/seikatu/himan/about.html

「肥満を防ぐ食事」

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/seikatu/himan/meal.html

「Ⅴ運動の基礎科学」p187,p188

http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info03k-06.pdf

エネルギー・栄養素 PDF p54 p61

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4e.pdf

 

農林水産省HP内

一日に必要なエネルギー量と摂取の目安

http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/balance/required.html

 

エンシュアH(アボットジャパンHP内)

http://www.abbott.co.jp/medical/product/ppg/tenbun/enh.pdf

 

お薬110番

http://www.jah.ne.jp/~kako/

http://www.okusuri110.com/dwm/sen/sen32/sen3259114.html

 

ウィキーペディアHP内

ja.wikipedia.org/wiki/基礎代謝

ja.wikipedia.org/wiki/栄養

ja.wikipedia.org/wiki/ハリス-ベネディクトの式

ja.wikipedia.org/wiki/ボディマス指数

ja.wikipedia.org/wiki/生理的熱量