気管切開について


◆気管切開とは?

気道を確保するために必要な処置の一つです。

気管に穴を開け(気管切開)て気道を開く方法です。

通常は第2~第4気管軟骨を

切開して気管カニューレを挿入

して気道を確保します。

気管カニューレを通して呼吸と

痰などの分泌物を吸引又は喀出することになります。

 

 

◆気管切開の種類

気管切開には外科的気管切開と

経皮的気管切開があります。

最近では侵襲性のより低い、

経皮的気管切開が行われてきているようです。

 

気管内へのアクセスの方法には、

緊急時の気道確保や痰等吸引

目的で実施される輪状甲状間膜

切開、輪状甲状間膜穿刺もあります。

 

 

◆気管切開の必要性

呼吸困難又は呼吸不全の場合は

自力での換気がスムーズに実施

できなくなる為、医療機器の

使用や酸素吸入、投薬などの

処置が必要になります。

 

呼吸困難などには気道の閉塞や

狭窄、損傷、肺疾患、呼吸中枢

の異常など様々な原因があります。

上気道が腫瘍、浮腫、損傷

麻痺、異物等による狭窄又は

閉塞している場合は気管切開が必要になります。

慢性閉塞性肺疾患、呼吸筋の

麻痺、呼吸中枢の抑制など人工

呼吸器を長期間必要とする呼吸

不全の場合も気管切開が必要になります。

その他には頸部手術等で気管

内挿管が出来ない場合や意識

レベルの低下による痰等の喀出

困難、体力低下(衰弱)などで

自力で痰などの喀出困難が長期

に続く、誤嚥や嚥下困難が長期

に続く場合などがあります。

 

気管切開は安定的な気道確保の

最後の手段として実施されます。

 

 

◆緊急時の場合の気道確保

医療機関で緊急時に気道を確保

する方法の最初に選択される

処置は、通常は気管内挿管になります。

気管内へのアクセス方法で、

より速やかに安全に処置できる

のは経鼻や経口からの挿管になります。

 

気管内挿管が間に合わない緊急

性が極めて高い場合は輪状甲状

間膜切開又は穿刺(ミニトラック

などの挿入など)により一時的に

気道を確保する場合もあります。

通常の気管切開より切開

(穿刺)孔が小さいため換気や

痰などの吸引が不十分なことが

多いため、呼吸状態が改善され

ないようであれば最終的には気管切開に移行します。

 

 

◆緊急時に気管内挿管が出来ない場合

炎症や浮腫、血液や痰の塊り

腫瘍、異物などで上気道に狭窄

や閉塞がある場合は経鼻及び経口挿管は出来ません。

緊急性が極めて高い場合は、

輪状甲状間膜切開(又は穿刺)

を実施し、一時的に気道を確保

しその後、気管切開を実施します。

緊急性が低い場合は、最初から気管切開を実施。

 

気道確保について

呼吸困難には気道の閉塞や狭窄

損傷、肺疾患、呼吸中枢の異常

など様々な原因がありますが、

換気がスムーズに出来るように

するには空気の通り道(気道)

をきちんと開いておくことが必要になります。

呼息と吸息が出来る様に気道を

開いておくことを気道の確保といいます。

気道確保の方法には医療機器を

使用する場合としない場合があります。

医療機器を使用する場合の気道

確保にはエアウェイの挿入、

気管内挿管、輪状甲状間膜穿刺

輪状甲状間膜切開、気管切開等があります。

医療機器を使用しない場合は、

頭部後屈あご先挙上法、下顎挙

上法などがあります。

一般的には医療機器を使用しな

い緊急時(心肺蘇生時)に実施

される処置を気道確保と呼んで

る場合が多いと思います。

気管切開を実施する前に通常は

エアウエイや気管内挿管などで

様子を見るケースが多いです。

気管内挿管後、数日~1週間ほど

様子をみても改善されない様で

あれば、気道確保の最期の手段

として気管切開が実施されます。

続きはこちらです→ 気管切開のメリットとデメリット

 


気管切開時の在宅介護 項目一覧

気管切開に関する解剖生理

呼吸とは酸素と二酸化炭素の出し入れのことです。

呼吸には、肺(肺胞)で行われる外呼吸(肺呼吸)と組織細胞

で行われる内呼吸(組織呼吸)があります。

続きは こちら です。

 

気管切開について

気管切開とは気道を確保する為に必要な処置の一つです。

気管に穴を開け(気管切開)て気道を開く方法です。

続きは こちら です。

 

気管切開のメリットとデメリット

気管切開のメリット

気管内の分泌物を容易にとり除くことが出来る、自力で痰の

喀出が困難又は出来ない時にはすぐに痰を吸引して取り除く

ことが出来ます。

続きは こちら です。

 

気管切開に伴う合併症

気管切開に伴う合併症には様々なものがあります。

気管切開の術中や気管切開後の早期、晩期にそれぞれ起こり

やすい合併症があります。

続きは こちら です。

 

気管カニューレについて

気管カニューレとは?

気管カニューレは気管切開時に切開孔から挿入される管です。

続きは こちら です。

 

気管カニューレの選択

種類の選択

一般的なカフありの気管カニューレは痰が多い、嚥下困難

誤嚥、人工呼吸器装着などの場合。

続きは こちら です。

 

具体的なケア

人工呼吸器が装着されていない場合の注意点等、出血の有無

気管カニューレの事故抜去の防止、感染防止、気道の乾燥防止

意思疎通の確認、

詳細は こちら です。

 

観察のポイント

全身状態の観察のポイント、他覚的症状の観察、自覚症状の

観察、気管カニューレに関する観察ポイント

詳細は こちら です。

 



◇参考文献 

書籍

「最新医学大辞典」p839 p279

「家庭医学大百科」 p322~p323

「ナースに必要な診断の知識と技術:フィジカルアセスメント」p49

「続まんがで見る手術と処置」p36

「イラスト救急処置マニュアル」p2,p3 

「最新基本手技AtoZ」p62

 

インターネット

ウィキーペディアHP内

ja.wikipedia.org/wiki/呼吸器

ja.wikipedia.org/wiki/気管

ja.wikipedia.org/wiki/軟骨

ja.wikipedia.org/wiki/喉頭隆起