気管カニューレからの吸引:吸引時の注意点


◆吸引時間

1回の吸引時間は10秒以内。

吸引時間が長いと合併症のリスクが高まります。

長くても15秒以内。

 

◆挿入する長さ

挿入する長さは前もって印をつけておくと安全です。

目盛の付いたカテーテルの使用をお勧めします。

気管カニューレ内(人工気道

内)の場合は、気管カニューレ

の長さ、又は気管カニューレの

長さプラス約1cm

 

★気管内(人の気管内)の場合

気管カニューレの口から気管

分岐部までの長さが基本になります。

体格などによって長さは異なります。

成人の場合は、目安としては、

15~20cm 

上記より深く挿入する場合は

気管支内まで挿入することにな

り合併症のリスクがより高くなります。

 

 

◆その他の注意点

上下にカテーテルを動かすこと

は気管壁を傷つける危険があるので避けます。

気管カニューレ内(人工気道内)

であれば、傷つける危険はあり

ませんが吸引時間や挿入の長さには注意します。

 

吸引圧が異常に上がる場合は

速やかに陰圧を止めます。

指でカテーテルを折って塞ぐか

調節口を開放して圧を止めます。

 

気管内(気管カニューレより深

い部分)を吸引する時は陰圧を

かけながら引き戻していく時に

痰などの吸引音が聞こえなくな

った時点で、吸引圧を止めて

カテーテルを引き上げます。

気管内(人の気管内)の場合

カニューレ内(人工気道内)の

吸引が終わっても気管の奥や

気管支内に痰が絡んでカニュー

レ内まで上がってこない様で

あれば、気管内の吸引が必要になる時もあります。

人工気道内(気管カニューレ

内)ではなく人の気管内の分泌

物を吸引する場合は、気管カニ

ューレの入り口から気管分岐部

までの長さになります。

成人の場合の目安としては

15~20cm迄挿入します。

*個人差があります。

 

気管の奥や気管支内を吸引する

場合は気管壁の損傷や低酸素

血症などの合併症のリスクが

人工気道内より高くなります

のでさらに注意が必要です。

 

介護職員が吸引できるのは、

気管カニューレ内(人工気道内)迄です。

介護職員の気管内吸引は、

気管カニューレ内(人工気道内)のみ可能です。

詳細は下記ご参照ください。

介護職員等の医療行為

*当サイト内

続きはこちらです→ 家庭での廃棄物の処理方法など

 


気管カニューレからの吸引 項目一覧

滅菌操作について 

気管カニューレは直接気管内に挿入される管です。

外から気管を切開して穴をあけカニューレを挿入します。

続きは こちら です。

 

必要物品等(在宅ケア用)

主な必要物品等、吸引器、吸引カテーテル

カテーテルを浸しておく消毒液、滅菌蒸留水又は滅菌精製水

続きは こちら です。

 

吸引前の準備

実施者の準備、必要物品の確認と配置、吸引器の準備

対象者の方の準備、続けて吸引する場合

詳細は こちら です。

 

吸引の実践手順

吸引器を作動させるまでの操作、吸引カテーテルの通水

気管カニューレ内(人工気道内)の吸引、吸引後の操作

詳細は こちら です。

 

吸引時の注意点

吸引時間、挿入する長さ、気管内(人の気管内)の場合

詳細は こちら です。

 

家庭での廃棄物の処理方法など

廃棄するもの、処理責任、回収方法

具体的な処理方法、排液水などの廃棄

詳細は こちら です。

 

吸引後の物品等の管理

消毒・洗浄、吸引カテーテル、吸引瓶など

次回への準備

続きは こちら です。

 



◇参考文献

書籍

「最新医学大辞典(医歯薬出版株式会社)

「ナース必携最新基本手技AtoZ」EXPERT・NURSE  小学館

「写真でわかる基礎看護技術① 看護技術を基礎から理解!」インターメディカ 

「家庭医学大百科」主婦の友社

 

インターネット

「フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)」