膵臓・肝臓・胆嚢の解剖生理


◆膵臓の解剖生理

●解 剖

膵臓は胃の後方にあり、ぶどうの房の様な細長い形をしています。

心窩部(みぞおち)から左上腹部に位置しています。

膵臓は、膵頭部、膵体部、膵尾部から成っています。

膵頭部は十二指腸に接しています。

膵尾部は脾臓に接しています。

 

●働 き

主な働きは膵液(消化酵素と炭酸水素ナトリウム等を含む)

とホルモンなどの生成と分泌です。

膵液は十二指腸内へ分泌されます(外分泌)。

ホルモン(インシュリンとグルカゴン)は血管内へ分泌されます(内分泌)。

その他に多量の炭酸水素ナトリウムを産生し、十二指腸内へ分泌しています。

胃内容物は塩酸により強い酸性の状態で、十二指腸内へ送り込まれます。

その為、十二指腸の入り口(十二指腸球部)は潰瘍が出来

やすい部分とされています。

胃内容物が十二指腸内に入ってきたら、アルカリ性である炭酸

水素ナトリウムが十二指腸内へ分泌され、酸を中和しています。

 

●膵臓から分泌される消化酵素

アミラーゼ、マルターゼ、リパーゼ、トリプシノーゲン

キモトリプシノーゲン、カルボキシペプチターゼなどがあります。

 

 

◆肝臓の解剖生理

●解 剖

肝臓は体内で最大の臓器

右葉と左葉にわかれています。

右葉のほうが大きい。

右胸腹部(主に右葉)から左胸腹部(左葉)に位置しています。

大部分は肋骨内に収まっています。

重さは体重の約1/50 

平均で 男性 約1400g

女性 約1200g

 

●消化に関する働き

胆汁の産生と分泌をしています。

胆汁は肝臓でつくられたあと、胆管へ分泌され胆のうに一時蓄えられます。

胆汁の主な成分は胆汁酸塩と胆汁色素(ビリルビン)です。

胆汁酸塩の働きは、脂肪を乳化して吸収を容易にします。

 

肝臓は消化に関する作用以外にも代謝や解毒作用、循環血液量の

調節、血液凝固に関する機能などの重要な働きをしています。

 

 

◆胆嚢の解剖生理

●解 剖

右側の肝臓(肝右葉)の下部に位置しています。

嚢状(洋梨状)の形をしています。

 

●働 き

肝臓で作られた胆汁を一時的に貯蔵し、濃縮するところです。

食物が十二指腸内に入ってくると胆嚢が刺激され、胆汁が胆管

を通って十二指腸内に分泌されます。

 

※胆汁の働き

主な成分は胆汁酸と胆汁色素です。

胆汁酸は脂肪を乳化し吸収をよくする働きがあります。

胆汁色素は、赤血球のヘモグロビンの代謝産物で肝臓で黄色い

ビリルビンに変化したものです。

殆どが便と一緒に排出されます。

便の色が黄色いのはこの為です。

 

続きはこちらです→ 消化酵素について

 

 

 

消化器の解剖生理 項目一覧


消化管の解剖生理 概要

消化器とは、食べ物の通過、消化、吸収、排泄を助ける臓器

(器官)のことです。

詳細は こちら です。

 

口腔・咽頭・食道の解剖と生理

歯と舌の働き、食べ物を歯で噛み砕きながら、舌でかき混ぜ、

細かくします。

詳細は こちら です。

 

胃の解剖と生理

胃の中に入った食べ物の一部はここで消化されます。

胃は、胃底部(胃の上方)、胃体部(胃の中間)、幽門部

(胃の下、十二指腸の方)の三つの部分があります。

詳細は こちら です。

 

小腸の解剖生理

小腸は、十二指腸、空腸、回腸の三つの部分から成り立ってい

ます。全長約6mの長さ。

詳細は こちら です。

 

大腸と肛門の解剖生理

大腸は、盲腸、結腸(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結

腸)、直腸の3部から成っています。

詳細は こちら です。

 

膵臓・肝臓・胆嚢の解剖生理

膵臓は胃の後方にあり、葡萄の房の様な細長い形をしています

心窩部(みぞおち)から左上腹部に位置しています。

詳細は こちら です。

 

消化酵素について

酵素とは?消化酵素とは?膵臓から分泌される主な消化酵素

小腸から分泌される消化酵素、各消化酵素の働き

詳細は こちら です。

 

消化と吸収について

消化とは? 吸収とは? 消化吸収の機序

詳細は こちら です。

 



◇参考文献

書籍

「わかりやすい病態生理」小学館 p64,65 p70~p77

「最新医学大辞典」医歯薬出版株式会社

「人体生理学ノート」金芳堂 p113

「広辞苑」電子辞書

「C型肝炎看護マニュアル」p12~p15 小学館

 

インターネット

ウィキーペディア

ja.wikipedia.org/wiki/膵臓

ja.wikipedia.org/wiki/肝臓

ja.wikipedia.org/wiki/胆嚢