消化と吸収について


◆消化とは?

消化とは、食べ物の栄養素が体内に吸収できるように分解する働きです。

消化の方法には、噛み砕く、混ぜる、消化管の蠕動運動による

食物の移動、消化液で柔らかくしたり溶かしたり分解したり

するなどがあります。

腸内細菌の発酵で分解される栄養素もあるようです。

 

 

◆吸収とは?

栄養素や水分、ミネラルなどを体内に取り込む働きです。

吸収の方法には、受動的吸収や能動的吸収などがあります。

 

*受動的吸収とは?

拡散や浸透などのこと。

膜を隔てた物質の移動は、通常は濃度の高い方から濃度の低い方へ移動します。

 

*能動的吸収とは?

通常の物質の移動に逆らって移動。

濃度が低い場合でも、濃度の高い方へ物質が移動すること。

例としてはナトリウムポンプ。

ATP(アデノシン三リン酸)のエネルギーを利用してナトリウム

が細胞外へ、カリウムが細胞内へ輸送されるなど。

小腸ではブドウ糖やアミノ酸は能動輸送によって毛細血管内へ移動します。

 

 

◆消化吸収の機序

●小腸での吸収

消化酵素によって体内に吸収されるまでの大きさに分解された

栄養素(消化された栄養素)は、主に小腸の絨毛から受動的

吸収や能動的吸収などによって吸収され血液中やリンパ液中に取り込まれます。

 

●血管に取り込まれる栄養素

脂質を除いた栄養素(単糖類、アミノ酸、無機質、ビタミン等)

は、血管内に取り込まれ、門脈(肝門脈)を経て肝臓に運ばれます。

肝臓で貯蔵されたり、代謝によりエネルギー源となったり

細胞の構成成分となったり等、生命維持に欠かせない役割を果たします。

 

●リンパ管に取り込まれる栄養素

脂肪酸などの脂質はリンパ管を経て血液中に運ばれます。

他の栄養素と比べサイズが大きい為、毛細血管より大きい

毛細リンパ管へ取り込まれます。

リンパ管にとりこまれた脂質は、胸管(太いリンパ管)まで

運ばれ、大きな静脈に流れ込んで血液中に入ります。

その後、心臓に入り、全身に運ばれ、肝臓で処理されます。

 

脂質を過剰に取りすぎると、皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられます。  

主に、エネルギー源として重要な働きをしています。

 

栄養素には三大栄養素(タンパク質、糖質、脂質)無機質

ビタミンなどがあります。

 

 

 

消化器の解剖生理 項目一覧


消化管の解剖生理 概要

消化器とは、食べ物の通過、消化、吸収、排泄を助ける臓器

(器官)のことです。

詳細は こちら です。

 

口腔・咽頭・食道の解剖と生理

歯と舌の働き、食べ物を歯で噛み砕きながら、舌でかき混ぜ、

細かくします。

詳細は こちら です。

 

胃の解剖と生理

胃の中に入った食べ物の一部はここで消化されます。

胃は、胃底部(胃の上方)、胃体部(胃の中間)、幽門部

(胃の下、十二指腸の方)の三つの部分があります。

詳細は こちら です。

 

小腸の解剖生理

小腸は、十二指腸、空腸、回腸の三つの部分から成り立ってい

ます。全長約6mの長さ。

詳細は こちら です。

 

大腸と肛門の解剖生理

大腸は、盲腸、結腸(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結

腸)、直腸の3部から成っています。

詳細は こちら です。

 

膵臓・肝臓・胆嚢の解剖生理

膵臓は胃の後方にあり、葡萄の房の様な細長い形をしています

心窩部(みぞおち)から左上腹部に位置しています。

詳細は こちら です。

 

消化酵素について

酵素とは?消化酵素とは?膵臓から分泌される主な消化酵素

小腸から分泌される消化酵素、各消化酵素の働き

詳細は こちら です。

 

消化と吸収について

消化とは? 吸収とは? 消化吸収の機序

詳細は こちら です。

 



◇参考・引用文献

書籍

「人体生理学ノート」金芳堂 p115

「最新医学大辞典」

「食品成分表」一橋出版 p137 p138 p140

 

インターネット

「ウィキーペディア」

ja.wikipedia.org/wiki/能動輸送

ja.wikipedia.org/wiki/受動輸送

ja.wikipedia.org/wiki/リンパ系

 

「生命科学教育」HP内

/physiology1.org/doc/chapter.php?Id=1135