経鼻胃管栄養法の合併症と対策


ここでは栄養剤の注入中及び胃管挿入中の合併症と対策を簡単に

まとめてあります。

 

◆主な合併症

主な合併症には、誤嚥性肺炎、悪心、嘔吐、腹部膨満、下痢

チューブの圧迫による潰瘍、チューブ固定部の皮膚炎等があります。

 

 

◆対策

●誤嚥性肺炎

管が確実に胃内に挿入されていることを確認します。

注入中及び注入後少なくとも30分は上体を挙げたままにしておきます。

痰の絡みがある場合は、タッピングやバイブレーション等で

痰の喀出を充分に実施します。

自力で喀出できない場合は吸引器で吸引します。

 

●悪心や嘔吐、腹部膨満、下痢

栄養剤の温度調節、濃度の調節、注入速度を遅くする、

場合によっては中止などの方法があります。

又腹部膨満に対しては、腹部を温めることにより腸の動きを

良くする方法もあります。

合併症の主な原因とし液体の栄養剤によるものが多い為、

半固形又はそれにより近い栄養剤を注入することで解決される

場合も多いようです。

 

●管の圧迫による潰瘍

可能な限り柔らかくて細い管を使用します。

固定する位置は同じ部位ではなく、少しずつずらしていきます。

 

●皮膚炎

固定するテープは刺激の少ないものを選びます。

固定する部位の皮膚は可能であれば、毎日清潔にしておきます。

テープもその都度、新しく貼りなおします。

 

 

◆その他のトラブルと対策

チューブの閉塞、抜去など。

 

●チューブ閉塞の対策

栄養剤の注入後に微温湯20ml~30mlシリンジで流します。

微温湯を流した後(フラッシュ後)10%の食酢を注入して

チューブ内を満たしておく方法もあります。

 

●事故抜去(自己抜去も含む)の対策

固定をしっかりしておくと同時に注入後は管を軽くまとめて

パジャマのポケットなど邪魔にならない所に置いておきます。

 

他にもありますが、比較的多い合併症及びトラブルをまとめてみました。

 



経鼻胃管栄養法の具体的なケア 項目一覧




◇参考文献

書籍

写真でわかる基礎看護技術1 インターメディカ

医学大辞典

家庭医学大百科

広辞苑

 

インターネット〉

厚生労働省HP内

介護職員等によるたんの吸引等の実施のための研修関係資料

http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaigosyokuin/

http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaigosyokuin/dl/manual_09.pdf

http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaigosyokuin/dl/text_07.pdf

 

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