末梢静脈栄養法の具体的なケア


◆介護職員の場合など

●介護職員が注意することなど

末梢静脈栄養法を受けている方は医療機関で入院治療されて

いる場合が多いと思います。介護職員は直接的なケア(医療

行為等)は出来ませんが異常の早期発見のための観察は必要

になります。

 

●観察と対処

以下のような状態や症状等を確認した場合はすぐに担当看護師

などに報告します。

 

輸液の滴下と輸液ラインの状態

輸液が早い、遅い、滴下していない、輸液ラインの閉塞、

チューブが外れている、静脈カテーテルが抜けかけている

輸液の漏れ(挿入部位からの漏れ、血管外への漏れなど)

血液の逆流、ルート内に空気が混入、輸液の混濁や浮遊物の存在など

 

静脈炎の徴候

静脈カテーテル留置部位の血管に沿うような発赤(赤い索条)

挿入部位の発赤(紅斑)、疼痛(圧痛)、熱感、腫脹、硬結 など

 

一般状態

顔色不良、息苦しさ、胸苦しさ、全身倦怠感 など

 

その他

挿入部位からの浸出液、バイタルサインの異常 など

 

 

◆看護職員の主な直接的ケア(医療行為など)

看護職員の医療行為は全て医師の指示のもとに実施されます。

 

●末梢静脈ラインの確保

末梢静脈の選択、末梢静脈カテーテルの挿入、固定 など

 

●輸液と輸液ルートの管理

輸液の確認(指示通りか)、輸液量の調節、輸液交換、ルート

の維持(生食ロックなど)、側注、水分出納の管理 など

 

●合併症に対する対処

・静脈炎の徴候を確認したらカテーテルを抜去

・静脈カテーテルの入れ替えとルート交換

静脈カテーテルの交換は通常は72時間~96時間。

ルート(輸液セット)の交換は何もなければ静脈カテーテルを交換

する時に一緒に交換(通常は72時間以上)。

血液や脂肪乳剤等を投与した場合は使用したチューブは24時間以内に交換。

 

静脈カテーテルの留置期間

血管確保が難しい場合は静脈炎などの徴候がなければ7日間は留置可能。

小児の場合は、合併症の徴候がなければ定期的な交換はしなくても良い。



 

 

静脈栄養法 項目一覧




◇参考文献

書籍

「ナース必携最新基本手技AtoZ」照林社 小学館 p132~p135

「家庭医学大百科」主婦の友社

「最新医学大辞典」医歯薬出版株式会社

 

インターネット

ウィキーペディアHP内

ja.wikipedia.org/wiki/点滴静脈注射

ja.wikipedia.org/wiki/輸液

 

CDC感染対策情報HP内

血管カテーテル関連物品の交換時期

hica.jp/cdcguideline/guide/exchange.htm

 

輸液製剤協議会HP内 

末梢静脈栄養輸液

yueki.com/composition_search/pdf/8-.pdf

組成表検索

yueki.com/composition_search/

 

IVH(看護関連用語集のページサイト内)

https://www.nursenohome.com/%E6%AC%A7%E6%96%87/%EF%BD%89%EF%BD%96%EF%BD%88/