気管カニューレについて


◆気管カニューレとは?

気管カニューレは気管切開時に

切開孔から挿入される管です。

気管カニューレを挿入して気道を確実に確保します。

呼吸の維持、気道閉塞の予防、

分泌物の吸引などを目的として挿入されます。

 

 

◆気管カニューレの種類

気管カニューレにはいろいろな種類があります。

大別すると、単管(一重管)、

複管(二重管)、カフなし、

カフありのタイプがあります。

さらに、カフの上部に貯留した

分泌物などを吸引する為の管

(サイドチューブなど)が付いた

カニューレや側孔のあるカニューレもあります。

病態や用途に合ったカニューレ

を選択することになります。

一般的にはカフつきのカニュー

レが使用されるケースが多いです。

特に人工呼吸器を装着している

場合はカフつきのカニューレを使用します。

 

気管カニューレの材質には、

非金属製(シリコン製等)と金属

製のカニューレがあります。

非金属製の気管カニューレが主流です。

カニューレ交換時は非金属製の

気管カニューレは使い捨て(ディ

スポ)が基本になります。

在宅では再利用するケースが多いです。

金属製のものより手間がかからず

感染のリスクもより低いなどの利点があります。

又様々な種類があり、患者さんに

より適したカニューレを選択することができます。

 

金属製のカニューレは劣化し難

く、繰り返し利用することが出来ます。

気管切開が長期間必要な場合は

金属製のカニューレの方が経済

的な面では利点があります。

欠点としては、非金属製のもの

より硬い為、切開口や気管粘膜

への刺激が大きく損傷のリスクが高くなります。

消毒薬も限られています。

カニューレの種類が少なく、

金属アレルギーがある人には注意が必要です。

 

 

◆気管カニューレの構造

ここでは単管でカフ付きの一般的

な気管カニューレについてまとめています。

メーカーにより各部の名称は異なる場合もあります。

 

●構造(各部の名称)

チューブ本体(カニューレ)

 

コネクタ

 

ネックプレート

ネックフランジ、ウィング、フレームなど

 

固定孔

 

カフ

 

パイロットバルーン

インジケーターカフなど

 

インフレーションライン

カフチューブ、インフレーションチューブなど

 

一方弁

ルアーバルブ、シールバルブなど

 

X線不透過ライン

 

など

 

上記以外に固定用のテープや

ホルダー、ネックバンドなどが必要になります。

 

 

 

◆気管カニューレの各部の役割

●チューブ本体

気管の役割、空気の通り道

 

●コネクタ

人工呼吸器やマスクなどの接続

部分、吸引をする時の出入り口

 

●ネックプレート

カニューレ本体を固定する

 

●固定孔

固定用のテープなどを通す孔

 

●カフ

エアーリークや誤嚥などの予防

 

●パイロットバルーン

カフの状態を把握

 

●インフレーションライン

カフ内に空気を送るための管

パイロットバルーンとカフをつなぐ管

 

●一方弁

カフ内の空気が漏れないようにする為の弁

 

●X線不透過ライン

挿入位置の確認

 

 

◆その他の機能

●吸引機能の付いている気管カニューレ

吸引ライン(サクションライン)

とカフの上部に吸引口が付いています。

 

●窓(側孔)がついているカニューレ

発声練習やウィーニング(離脱)の時に役立ちます。

 

続きはこちらです→ 気管カニューレの選択

 


気管切開時の在宅介護 項目一覧

気管切開に関する解剖生理

呼吸とは酸素と二酸化炭素の出し入れのことです。

呼吸には、肺(肺胞)で行われる外呼吸(肺呼吸)と組織細胞

で行われる内呼吸(組織呼吸)があります。

続きは こちら です。

 

気管切開について

気管切開とは気道を確保する為に必要な処置の一つです。

気管に穴を開け(気管切開)て気道を開く方法です。

続きは こちら です。

 

気管切開のメリットとデメリット

気管切開のメリット

気管内の分泌物を容易にとり除くことが出来る、自力で痰の

喀出が困難又は出来ない時にはすぐに痰を吸引して取り除く

ことが出来ます。

続きは こちら です。

 

気管切開に伴う合併症

気管切開に伴う合併症には様々なものがあります。

気管切開の術中や気管切開後の早期、晩期にそれぞれ起こり

やすい合併症があります。

続きは こちら です。

 

気管カニューレについて

気管カニューレとは?

気管カニューレは気管切開時に切開孔から挿入される管です。

続きは こちら です。

 

気管カニューレの選択

種類の選択

一般的なカフありの気管カニューレは痰が多い、嚥下困難

誤嚥、人工呼吸器装着などの場合。

続きは こちら です。

 

具体的なケア

人工呼吸器が装着されていない場合の注意点等、出血の有無

気管カニューレの事故抜去の防止、感染防止、気道の乾燥防止

意思疎通の確認、

詳細は こちら です。

 

観察のポイント

全身状態の観察のポイント、他覚的症状の観察、自覚症状の

観察、気管カニューレに関する観察ポイント

詳細は こちら です。

 



◇参考文献 

書籍

「気管吸引のガイドラインを完全準拠 わかる!できる!気管吸引あんしん教育ガイド」 p13~p14メディカ出版

「介護職員等のための医療的ケア 喀痰吸引・経管栄養等の研修テキスト」公益財団法人日本訪問看護財団(編)p68

 

インターネット

厚生労働省HP内

 2.喀痰の吸引 Slide2-47:気管カニューレの種類 p49

//www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi

/kaigosyokuin/dl/text_03.pdf

喀痰の吸引 Slide2-98:みなさんに吸引していただく部位は p67

//www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/

kaigosyokuin/dl/manual_05.pdf

 

各製品の添付文書