◆改定事項
(1)介護保険施設におけるリスクマネジメントの強化
(2)高齢者虐待防止の推進
(3)基準費用額(食費)の見直し
(4)基本報酬の見直し
◆目的
事故発生の防止と発生時の適切な対応を推進するため。
◆対象サービス
介護老人福祉施設
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
介護老人保健施設
介護療養型医療施設
介護医療院
◆見直し内容
●運営基準(省令)の見直し
〇事故の発生又は再発を防止する措置の追加
事故発生防止のための安全対策の担当者設置の義務付が追加されました。
*6月の経過措置期間の設置
●基準報酬の減算
〇安全管理体制未実施減算 5単位/日(新設)
運営基準における事故発生の防止又はその再発防止の為の措置
が講じられていない場合に減算されます。
*6月の経過措置期間の設置
●新たな加算の設置
〇安全対策体制加算 20単位(新設)
安全対策部門の設置、外部の安全対策に係る研修を受講した
安全対策の担当者の設置、組織的に安全対策を実施する体制が
整備されていることが算定要件になります。
●国で報告様式を作成し周知する
市町村により事故報告の基準が異なるため、将来的な事故報告
の標準化による情報蓄積と有効活用等の検討に役立てるために
国で報告様式を作成し、標準的な事故報告の様式について周知
を行うことになりました。
◆目的
利用者の人権の擁護、虐待の防止等の為。
◆対象サービス
全サービス
◆見直し内容
●運営基準(省令)の改正
〇虐待の発生又はその再発防止の為の委員会の開催
虐待の防止の為の対策を検討する委員会を定期的に開催し、
その結果を、従業者に周知徹底すること。
*委員会はテレビ電話装置等の活用も可能
〇虐待防止の為の指針の整備
〇従業員に対し、虐待防止の為の研修を定期的に実施
〇上記の措置を適切に実施するための担当者の設置
*3年間の経過措置
高齢者虐待防止法について
「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する
法律」を略して「高齢者虐待防止法」といいます。
平成18年(2006年)4月1日から施行されました。
国及び地方公共団体のもとで、高齢者の権利利益の擁護に役立
てるために、高齢者虐待の防止とともに虐待の早期発見と早期
対応の促進が定められています。
具体的には、国民全般に高齢者虐待に係る通報義務等を課し、
福祉・医療関係者に高齢者虐待の早期発見等への協力を求め、
市町村における相談・通報体制の整備、事実確認や被虐待者
の保護に係る権限の付与、養護者への支援措置、養介護施設
の業務または養介護事業の適正な運営を確報するための関係
法令に基づく市区町村、都道府県の適切な権限行使等が定め
られています。
65歳以上の高齢者が対象になりますが、65歳未満でも
養介護施設に入所やサービス利用者等の障碍者については
高齢者とみなし、虐待に関数する規定が適用されます。
◆目的
利用者負担への影響も考慮し、必要な対応を行うため。
介護保険施設やショートステイを利用する人の食費と在宅で暮らす
人の食費に係る公平性や負担能力に応じた負担を図る観点から見直されました。
令和3年(2021年)8月1日から実施されています。
◆対象サービス
介護老人福祉施設
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
介護老人保健施設
介護療養型医療施設
介護医療院
短期入所生活介護
短期入所療養介護
介護予防短期入所生活介護
介護予防短期入所療養介護
◆見直し内容
●基準費用額(食費)の変更
1,392円/日(改定前)
↓
1,445円/日(改定後)
基準費用額について
基準費用額は食事・居住費の提供に要する平均的な費用の額になります。
食費や居住費は平成17年10月から介護保険給付の対象外になり
原則利用者負担になりました。
同時に低所得者の方に対しては補足給付として助成されています。
自己負担額は所得により決定されています。
所得により4段階に分類されており利⽤者負担第1~第3段階の
⽅を対象に負担限度額が設定されています。
基準費用額と負担限度額の差額は、補足給付とし介護保険から給付されます。
第4段階の方は利用者と施設の契約によって食費や居住費が定め
られ、全額自己負担になります。
補足給付について
特定入所者介護サービス費として助成されます。
利⽤者負担第1~第3段階の⽅を対象に、基準費用額と自己負担
限度額の差額を介護保険から特定入所者介護サービス費として
払う費用が補足給付になります。
◆目的
物価動向による物件費への影響など、介護事業者の経営を巡る
状況等を考慮するため。
◆対象サービス
全てのサービス
◆見直し内容
●基本報酬の引き上げ
〇改定率+0.70%とする
新型コロナウィルス感染症に対応する為の特例的な評価として
+0.70%のうち+0.05%相当分を確保。
*+0.05%は令和3年9月末まで
〇0.1%の上乗せ
各サービスの月の基本報酬に、0.1%上乗せされます。
*令和3年9月末まで
掲載日2022年8月26日
◇参考・引用文献
*厚生労働省サイト内
令和3年度介護報酬改定の主な事項について 第199回(R3.1.18)
p51~p
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000727135.pdf
令和3年度介護報酬改定における改定事項について第199回(R3.1.18)
P157~p161
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000750362.pdf
令和3年度介護報酬改定に関する審議報告第 199 回(R3.1.18)
p53~
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000721066.pdf
介護保険施設のリスクマネジメントに関する調査研究事業の調査検討組織設置要綱
p3
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000972268.pdf
令和 2 年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する
法律に基づく対応状況等に関する調査」の結果及び高齢者虐待の状況等を
踏まえた対応の強化について(通知)
https://www.mhlw.go.jp/content/12304250/000910573.pdf
高齢者虐待防止の基本
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/1.pdf
介護保険法施行規則第 140 条の 63 の6第1号に規定する厚生労働大臣が定める基準について
p8
https://www.mhlw.go.jp/content/000763801.pdf
介護保険施設における食費・居住費と 高額介護サービス費の負担 ...
https://www.mhlw.go.jp/content/000778218.pdf
その他の事項 基準費用額
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000698298.pdf
介護保険施設における負担限度額が変わります
https://www.mhlw.go.jp/content/000334525.pdf
1) 食費・居住費の平均的な費用額について
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000107014.pdf
医療・介護を通じた居住費負担の公平化について
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000104911.pdf
介護保険制度における利用者負担等の事務処理の取扱いについて令和3年7月5日
p36 p7
https://www.mhlw.go.jp/content/000801668.pdf
介護保険法施行令等の一部を改正する政令等の公布について(通知)令和3年3月31日
p4 p5
https://www.mhlw.go.jp/content/000764673.pdf
平成17年10月利用分から「居住費」や「食費」は、介護保険の
給付の対象外となり、利用者にご負担いただくことになります
https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/topics/051122/dl/data.pdf
特定入所者介護サービス費
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/17/backdata/01-03-01-17.html
費用負担の公平化について
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000024146.pdf
介護保険制度における利用者負担等の事務処理の取扱いについて令和3年7月5日
p1
https://www.mhlw.go.jp/content/000801668.pdf
令和3年度介護報酬改定に関するQ&AVol.968令和3年4月21日
https://www.mhlw.go.jp/content/000771346.pdf