胃の解剖と生理


胃の中に入った食べ物の一部は

ここで消化されます。

胃は、胃底部(胃の上方)

胃体部(胃の中間)

幽門部(胃の下、十二指腸の方)

三つの部分があります。

胃の部位によりそれぞれ異なる液を分泌しています。

胃の主な働きは塩酸や消化酵素

などを分泌して食物を殺菌し、消化を助けています。

 

◆胃液について

胃液は噴門腺(食道が胃につながる噴門部分辺り)

胃底腺(胃底部から胃体部に分布)

幽門腺(十二指腸へ繋がる部分)などから分泌されています。

 

空腹時のpH

1.0~2.0の強酸性

 

胃液の量

成人で1500ml~2500ml

 

●噴門腺

粘液を分泌

 

●胃底腺

ペプシノーゲン(塩酸でペプシンに変化)、塩酸、粘液を分泌

 

●幽門腺

粘液(主成分はムチン)を分泌

ガストリン(消化管ホルモン)を産生

 

 

◆胃液の主な成分

●消化酵素

ペプシン、リパーゼなどがあります。

蛋白質を分解する消化酵素

ペプシンがタンパク質をペプトンにまで分解。

胃液に含まれるり脂肪を分解

する消化酵素リパーゼの働きは弱いとされています。

*リパーゼは主に膵液に含まれています。

 

●塩酸

強い酸性で、ペプシノーゲンを

ペプシンに変え、作用を発揮させます。

強酸性にすることにより、

食物を殺菌し腐敗を防いでいます。

膵液や胆汁の分泌を促す作用もあります。

 

●粘液

胃の粘膜を保護しています。

 

●内因子

ビタミンB12の吸収には欠かせない糖たんぱく質。

 

 

◆胃液の分泌を促進するホルモン

●ガストリン(消化管ホルモン) 

ガストリンは幽門腺細胞で産生されます。

迷走神経の刺激や物理科学的

刺激(胃の運動やペプシン、

アルコール等)で血液中に放出されます(内分泌)。

血中に放出されてたガストリン

は、胃底腺の旁細胞を刺激して

胃液を分泌させます。

視覚、嗅覚、味覚等で迷走神経が刺激されます。

食べ物を見たり匂いを嗅いだり

食べたりすることでホルモンが

分泌され、胃の働きを助けてくれます。

その為、盛り付けや香りも、

消化には大切になります。

食べ物を思い浮かべるだけでも

胃液の分泌が亢進される様です。

 

 

◆消化酵素とは?

食物の中に含まれている栄養が

体内に吸収されるには、食物を

細かく分解してからでないと吸収されません。

吸収されるには、食物を細かく

分解して、吸収され易い栄養素

まで処理する必要があります。

食物の分解に必要なものが消化酵素になります。

例えば、蛋白質の場合は

ペプシンと呼ばれるタンパク質

分解酵素によってペプトンにまで分解されます。

タンパク質は最終的にはアミノ酸にまで分解されます。

胃ではペプトンにまで分解されます。

 

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消化器の解剖生理 項目一覧


消化管の解剖生理 概要

消化器とは、食べ物の通過、消化、吸収、排泄を助ける臓器

(器官)のことです。

詳細は こちら です。

 

口腔・咽頭・食道の解剖と生理

歯と舌の働き、食べ物を歯で噛み砕きながら、舌でかき混ぜ、

細かくします。

詳細は こちら です。

 

胃の解剖と生理

胃の中に入った食べ物の一部はここで消化されます。

胃は、胃底部(胃の上方)、胃体部(胃の中間)、幽門部

(胃の下、十二指腸の方)の三つの部分があります。

詳細は こちら です。

 

小腸の解剖生理

小腸は、十二指腸、空腸、回腸の三つの部分から成り立ってい

ます。全長約6mの長さ。

詳細は こちら です。

 

大腸と肛門の解剖生理

大腸は、盲腸、結腸(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結

腸)、直腸の3部から成っています。

詳細は こちら です。

 

膵臓・肝臓・胆嚢の解剖生理

膵臓は胃の後方にあり、葡萄の房の様な細長い形をしています

心窩部(みぞおち)から左上腹部に位置しています。

詳細は こちら です。

 

消化酵素について

酵素とは?消化酵素とは?膵臓から分泌される主な消化酵素

小腸から分泌される消化酵素、各消化酵素の働き

詳細は こちら です。

 

消化と吸収について

消化とは? 吸収とは? 消化吸収の機序

詳細は こちら です。

 



◇参考文献

書籍

「わかりやすい病態生理」p64,65 小学館 

「最新医学大辞典」医歯薬出版株式会社

 

インターネット

ウィキーペディア

ja.wikipedia.org/wiki/胃