◆全身状態の観察のポイント
●他覚的症状の観察
呼吸の回数、呼吸の深さ、
喘鳴の有無、顔・口唇・爪の
色の変化、体温の異常(中枢温と
皮膚温)、脈拍の異常、喀痰の
量や色の変化、痰の硬さ、
発汗状態、手足の冷感の有無
血圧の変化等のチェックが大切になります。
●自覚症状の観察
呼吸苦、胸痛、背部痛、気分不快などの有無。
◆気管カニューレに関する観察ポイント
・気管カニューレ内からの出血
の有無
・挿入部やカニューレの接触に
よる気道の痛みの有無
・切開部のガーゼなどの汚染の
有無(出血、浸出液など)
・気管カニューレの固定の状態
(きつすぎたり、緩んでいないか)
・皮膚の異常(固定紐等の接触
部分や気管カニューレ挿入部
周辺の皮膚損傷の有無)
・気管カニューレのカフの状態
(エアリークの有無)など
◆その他の観察など
●口腔内の清潔保持
歯垢や舌苔などの有無。
口臭の有無。
●人工鼻装着時
人工鼻の汚染の有無
痰の量や硬さの程度
痰の量が多かったり硬いと閉塞の
リスクが高まります。
●痰の性状
血液が含まれていると閉塞のリスクが高まります。
●精神的な面
発声が出来ない場合のストレスの程度。
意思疎通の方法は適切か。
●環境整備
部屋の湿度や温度は適切か。
室内の埃やチリなどの状況など。
対象者の方の常日頃の状態を把握
しておくことがとても大切になります。
その為には本人や家族からの情報収集は不可欠です。
気管カニューレ内の喀痰吸引に関しては下記をご参照ください。
*当サイト内
気管切開に伴う合併症をよく理解
した上での介護が大切になります。
気管切開に伴う合併症については下記をご参照ください。
*当サイト内
人工呼吸器を装着している場合は
人工呼吸器についての知識や吸引
の方法、上記以外の観察ポイント
や注意しなければならない事など
必要な知識や技術が追加されます。
介護職員等の場合は、異常の早期
発見に努めバイタルサインの数値
の異常や患者さんの状態の変化、
気管カニューレに関する異常等が
ある場合は早急に看護師等に報告
することが大切になります。
直接的な対策や処置、判断等は
医師又は看護職員になります。
気管切開時の在宅介護 項目一覧
呼吸とは酸素と二酸化炭素の出し入れのことです。
呼吸には、肺(肺胞)で行われる外呼吸(肺呼吸)と組織細胞
で行われる内呼吸(組織呼吸)があります。
続きは こちら です。
気管切開とは気道を確保する為に必要な処置の一つです。
気管に穴を開け(気管切開)て気道を開く方法です。
続きは こちら です。
気管切開のメリット
気管内の分泌物を容易にとり除くことが出来る、自力で痰の
喀出が困難又は出来ない時にはすぐに痰を吸引して取り除く
ことが出来ます。
続きは こちら です。
気管切開に伴う合併症には様々なものがあります。
気管切開の術中や気管切開後の早期、晩期にそれぞれ起こり
やすい合併症があります。
続きは こちら です。
気管カニューレとは?
気管カニューレは気管切開時に切開孔から挿入される管です。
続きは こちら です。
種類の選択
一般的なカフありの気管カニューレは痰が多い、嚥下困難
誤嚥、人工呼吸器装着などの場合。
続きは こちら です。
人工呼吸器が装着されていない場合の注意点等、出血の有無
気管カニューレの事故抜去の防止、感染防止、気道の乾燥防止
意思疎通の確認、
詳細は こちら です。
全身状態の観察のポイント、他覚的症状の観察、自覚症状の
観察、気管カニューレに関する観察ポイント
詳細は こちら です。
◇参考文献
書籍
「気管切開最新の手技と管理」改定第2版 p137~p148 医学図書出版(株)
「呼吸サポートチームのための 呼吸管理セーフティーBOOK」p152p~157 メディカ出版
「ロールプレイで学ぶ 呼吸ケア・呼吸管理のキーポイント」p152p~153メディカ出版
「介護職員等のための医療的ケア 喀痰吸引・経管栄養等の研修テキスト」p68
公益財団法人日本訪問看護財団(編)
「ナース必携最新基本手技AtoZ」 p63 小学館
インターネット
厚生労働省HP内
2.喀痰の吸引 Slide2-47:気管カニューレの種類 p49
//www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/
shougaishahukushi/kaigosyokuin/dl/text_03.pdf