(3)医療と介護の連携の推進


◆改定事項

①基本方針を踏まえた居宅療養管理指導の実施と多職種連携の推進

○医師・歯科医師から介護支援専門員への情報提供の充実

○外部の管理栄養士による居宅療養管理指導の評価

○歯科衛生士等による居宅療養管理指導の充実

 

②短期入所療養介護における医学的管理の評価の充実

 

③認知症グループホームにおける医療ニーズへの対応強化

 

④介護保険施設の医療ニーズへの対応強化

○退所前連携加算の見直し

○所定疾患施設療養費の見直し

○かかりつけ医連携薬剤調整加算の見直し

 

⑤長期入院患者の介護医療院での受入れ推進

○有床診療所から介護医療院への移行促進

○長期療養・生活施設の機能の強化

○介護医療院の薬剤管理指導の見直し

○介護療養型医療施設の円滑な移行

 

① 基本方針を踏まえた居宅療養管理指導の実施と多職種連携の推進

●目的

利用者が有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことが

出来るよう、より適切なサービスを提供できるようにする為

利用者の多様なニーズと多様な地域資源とを結びつけ、

利用者がより主体的に自立できるように支援する為。

 

●対象サービス

居宅療養管理指導

介護予防居宅療養管理指導

 

●改定内容

〇医師・歯科医師(通知)

医師・歯科医師から介護支援専門員への情報提供の充実

必要に応じて利用者の社会生活面の課題にも目を向け、地域

社会における様々な支援へとつながるよう留意し、関連する

情報については、介護支援専門員等に提供するよう努める

ことが明示されました。

 

医師の主治医意見書の様式を踏まえた新たな様式を設定

歯科医師の歯科疾患在宅療養管理料(医療)の様式を踏まえた

新たな様式を設定。

様式には利用者の社会生活面の課題にも目を向けた記載欄を設定

 

〇薬剤師・歯科衛生士・管理栄養士(通知)

必要に応じて支援につながる情報を把握し、関連する情報を

医師又は歯科医師に提供するよう努めることが明示されました。

 

薬剤師(運営基準に規定・省令)

薬剤師の介護支援専門員等への情報提供の明確化。

改定前の運営基準には介護支援専門員等への情報提供は明示

されていませんでしたが、今回の改定では以下の要件が明示されました。

 

指定居宅療養管理指導の提供に当たっては、療養上適切な

居宅サービスが提供される必要があると認める場合又は、

居宅介護支援事業者若しくは居宅サービス事業者から求めが

あった場合は居宅介護支援事業者又は居宅サービス事業者に

対し、居宅サービス計画の作成、居宅サービスの提供等に

必要な情報提供又は助言を行う。

医師や歯科医師の場合は既に運営基準に記載されています。

 

歯科衛生士等による居宅療養管理指導の充実

歯科衛生士等が居宅療養管理指導を行った場合の記録等の新たな様式を設定。

 

外部の管理栄養士による居宅療養管理指導の評価

管理栄養士が実施する場合の区分を新たに設定。

診療所等が実施している外来栄養食事指導及び在宅患者訪問

栄養食事指導の算定要件に当該事業所以外の他の医療機関及び

栄養ケア・ステーションの管理栄養士が栄養指導を行った場合

も評価されるようになりました。

 

 

②短期入所療養介護における医学的管理の評価の充実

●目的

医療ニーズのある利用者の受け入れの促進と介護老人保健施設

の在宅療養支援機能を推進する為。

 

●対象サービス

*介護老人保健施設が提供

短期入所療養介護

介護予防短期入所療養介護

 

●改定内容

〇基本報酬の見直しと総合的な医学的管理を評価

総合医学管理加算

275単位/日(新設)

1回の短期入所に付き7日を限度として1日に275単位を加算

 

総合的な医学的管理の評価とは、入所先の医師が利用者に必要な

診療・検査等を行い利用者が退院する時に、かかりつけ医に情報

提供を行うことに対しての評価。

 

算定要件など

居宅サービス計画に含まれていない指定短期入所療養介護を

実施た場合に加算。

利用者が入所の際に、入所先の医師が診療方針を定め、

治療管理として投薬、検査、処置等を実施すること。

診療録に診断、診療方針、診断を行った日、投薬、検査

処置などを記載すること。

利用者の同意を得て、診療状況を示す文書を添えて利用者の

かかりつけ医(主治医)に対して必要な情報を提供すること

 

 

③認知症グループホームにおける医療ニーズへの対応強化

●目的

医療ニーズのある入居者への対応を適切に評価する為。

医療ニーズにある人の積極的な受け入れを促進する為。

 

●対象サービス

認知症対応型共同生活介護

 

●改定内容

医療連携体制加算(Ⅱ)及び(Ⅲ)の算定要件である医療的

ケアに以下を追加。

・呼吸障害等により人工呼吸器を使用している状態

・中心静脈注射を実施している状態

・人工腎臓を実施している状態

・重篤な心機能障害、呼吸障害等により常時モニター測定を実施している状態

・人工膀胱又は人工肛門の処置を実施している状態

・褥瘡に対する治療を実施している状態

・気管切開が行われている状態

 

 

④介護保険施設の医療ニーズへの対応強化

●目的

介護老人保健施設の入所者の早期の在宅復帰の促進。

入所者に対しより適切な医療を提供する為。

かかりつけ医との連携を推進し、継続的な薬物治療を提供する為。

 

●対象サービス

介護老人保健施設

 

●改定内容

〇退所前連携加算の見直し

入退所前連携加算(Ⅰ)

600単位(新設)

 

入退所前連携加算(Ⅱ)

400単位(新設)

改定前は退所前連携加算 500単位のみ

 

算定要件など

入退所前連携加算(Ⅰ)

入所予定日前の30日以内又は、入所後30日以内に入所者が

退所後に利用又は、予定の居宅介護支援事業者と連携し、

入所者の同意を得て退所後の居宅サービス等の利用方針を定めること。

 

*以下は改定前の要件と同じ

入所者の入所期間が1月を超える。

入所者が退所し居宅サービス等を利用する。

入所者の退所に先立って、入所者が利用を希望する居宅介護

支援事業者に対し、入所者の同意を得て、診療状況を示す

文書を添えて居宅サービス等に必要な情報を提供し、かつ、

当該居宅介護支援事業者と連携して退所後の居宅サービス等の

利用に関する調整を行うこと。

 

入退所前連携加算(Ⅱ)

改定前の要件を満たすこと。

 

〇所定疾患施設療養費の見直し

算定要件で検査の実施を明確化

肺炎又は尿路感染症の場合は、検査を実施した場合に限ることが追加。

 

対象疾患に蜂窩織炎を追加

改定前は肺炎、尿路感染症、帯状疱疹の三つ

 

所定疾患施設療養費(Ⅱ)の算定日数を「連続する10日まで」に延長

ひと月に1回、連続する10日を限度として算定。

改定前は7日を限度

 

〇かかりつけ医連携薬剤調整加算の見直し

入所時及び対処時におけるかかりつけ医との連携への評価

かかりつけ医連携薬剤調整加算

(Ⅰ) 100単位(新設)

 

Ⅰに加えCHASEへのデータ提出とフィードバックの活用によるPDCAサイクルの

推進・ケアの向上を図ることを新たに評価

かかりつけ医連携薬剤調整加算

(Ⅱ) 240単位 (新設)

 

Ⅱに加えかかりつけ医と共同して減薬した場合を評価

かかりつけ医連携薬剤調整加算

(Ⅲ) 100単位(新設)

 

入所者1人につき1回を限度。

退所時に加算。

改定前はかかりつけ医連携薬剤調整加算 125単位のみ

 

 

⑤長期入院患者の介護医療院での受入れ推進

●対象サービス

介護医療院

 

●改定事項

・有床診療所から介護医療院への移行促進

・長期療養・生活施設の機能の強化

・介護医療院の薬剤管理指導の見直し

・介護療養型医療施設の円滑な移行

 

〇有床診療所から介護医療院への移行促進

目的

介護療養病床を有する診療所から介護医療院への移行を促進する為。

 

見直し内容

介護医療院の浴室の施設基準(一般浴槽と特別浴槽)の見直し

有床診療所から介護医療院を開設する場合は一般浴槽のほか、

入浴に介助を必要とする人に適切な入浴設備を設けること。

 

改定前は特別浴槽を設けることになっていましたが入浴用リフトや

リクライニングシャワーチェア等により利用者が適切に入浴できる

場合は特別浴槽を設けなくても良くなりました。

 

療養病床又は一般病床を有する診療所が、介護医療院を開設する

場合に、施設の新築、増築又は全面的な改築を終了する間の経過

措置(令和6年3月31日迄)としての対応になります。

 

〇長期療養・生活施設の機能の強化

目的

介護医療院の長期療養施設および生活施設としての機能をより

充実させる為。

 

見直し内容

療養病床からの長期入院患者の受け入れ、生活施設としての

取組を説明し、適切なサービス提供を行うことを、新たに評価

する為の加算を創設。

長期療養生活移行加算

60単位/日(新設)

 

算定要件等

療養病床に1年以上入院。

介護医療院に入所する際に利用者とその家族等に、生活施設

としての取組について説明をする。

利用者やその家族等と地域住民等との交流が出来る様に地域の

行事や活動等に積極的に関与していること。

上記全ての条件を満たした場合、入所した日から90日間に限り算定可能。

 

〇介護医療院の薬剤管理指導の見直し

目的

介護の質の向上をさらに推進する為にCHASEへのデータ提出

とフィードバックの活用によるPDCAサイクルの推進・ケアの

向上を図ることを新たに評価。

 

見直し内容

同月の最初の薬剤管理指導算定時に下記を加算。

薬剤管理指導

20単位/月(新設)

*以下は変更なし

薬剤管理指導 350単位/回(週1回、月4回まで)

 

算定要件等

入所者の服薬情報等を厚生労働省に提出(CHASEへのデータ提出)する。

処方にあたっては提出したデータの解析によるフィードバックを活用する。

 

*CHASE

高齢者の状態やケアの内容等データ収集システム。

令和2年5月から運用を開始。

 

*PDCAサイクル

P(Plan)=計画・目標値

D(Do)=行動・実行(サービスの提供)

C(Check)=事業への評価(サービス提供の評価)

A(Action)=評価結果を踏まえた見直し・改善

上記の一連のサイクルをPDCAサイクルといいます。

 

*科学的介護情報システム(LIFE)

Long-term care Information system For Evidence

令和3年4月1日より運用を開始。

通所・訪問リハビリテーションデータ収集システム(VISIT)

と高齢者の状態やケアの内容等データ収集システム(CHASE)

が一体化されたシステムの名称。

VISITは平成28年度から運用を開始。

CHASEは令和2年5月から運用を開始。

 

〇介護療養型医療施設の円滑な移行

目的

令和5年度末の廃止期限までに介護医院への移行等を促進する為

 

見直し内容

一定期間ごとに移行等に係る検討状況の報告を事業者に求め

報告されない場合は、次の期限までの間は基本報酬を減算。

移行計画未提出減算

10%/日減算(新設)

 

算定要件等

厚生労働省が示す様式を用いて令和6年4月1日迄の移行計画を

半年毎に許可権者に提出する。

 

最初の提出期限は令和3年9月30日

以後は半年後。

最後の移行計画提出期限は令和5年9月30日

減算期間は次の提出期限まで。

 

*介護療養型医療施設の廃止期限

介護療養型医療施設は令和5年度末までに廃止されます。

 



◇参考・引用文献

厚生労働省サイト内

 

令和3年度介護報酬改定の主な事項について

p10~p12

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000727135.pdf

 

令和3年度介護報酬改定における改定事項について

p22~p35

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000750362.pdf

 

令和3年度介護報酬改定に向けて(地域包括ケアシステムの推進)

P34~

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000668761.pdf

 

居宅療養管理指導の報酬・基準について

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000694886.pdf

 

令和3年度介護報酬改定に関する審議報告

p12~p16 

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000721066.pdf

 

短期入所療養介護の報酬・基準について 第193回(R2.11.16)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000694879.pdf

 

短期入所療養介護 第180回(R2.7.20) 

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000650021.pdf

 

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の報酬・基準について第193回(R2.11.16) 

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000695371.pdf

 

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の報酬・基準について(検討の方向性)第187回(R2.10.9)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000681073.pdf

 

認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム 第179回(R2.7.8) 

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000647295.pdf

 

令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.3)(令和3年3月26日)Vol.952

p59 退所前連携加算

https://www.mhlw.go.jp/content/000763822.pdf

 

厚生労働省告示第七十三号

p106 退所時等支援等加算

 

p110 かかりつけ医連携薬剤調整加算

p111 所定疾患施設療養費

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000753783.pdf

 

介護医療院・介護療養型医療施設の報酬・基準について 第194回(R2.11.26) 

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000698291.pdf

 

介護医療院・介護療養型医療施設の報酬・基準について(検討の方向性)第190回(R2.10.30)

p23

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000689883.pdf

 

介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準について(平成30年3月22日)

p3

https://www.mhlw.go.jp/content/12301000/000750733.pdf

 

Vol.931令和3年3月12日

介護医療院の薬剤管理指導の見直し

p3 

https://www.mhlw.go.jp/content/000763160.pdf

 

科学的介護情報システム(LIFE)~Vol.938 令和3年3月16日

p2 p5 p12

https://www.mhlw.go.jp/content/000763791.pdf

 

老人保健課 資料

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000170190.pdf

 

在宅医療・介護連携推進事業の手引きVer.3 令和2年9月

https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000666660.pdf